家庭教師のアルバイトで身につく仕事の能力

ほとんどの人は学生時代に何かしらアルバイト経験があることでしょう。
スーパーのレジ打ち、商品陳列とアルバイトとして一般的な仕事のひとつに、家庭教師があります。
その名の通り、生徒のお宅に伺い多くの場合はマンツーマンで勉強を教える仕事であり、事前の下準備が非常に大切です。
家庭教師をするのは大抵高校生から大学生までの学生、教えられる側は小学生から高校生までのやはり学生なので、「学生同士だし生徒はだいぶ下なんだから、予習しなくてもできるのでは」と思う方も居ますが、実際には下準備なしに物事を教えるのは大変なことなのです。
自分自身の学生時代を思い出してください。
全ての教科の成績がまんべんなく良かったでしょうか。
後輩の教科書を見て、解けない問題に冷や汗をかいた経験はありませんか。
小学生の兄弟に宿題の手伝いをせがまれ、中高で習った問題の解き方と小学校での問題の解き方の違いに戸惑うことは無かったでしょうか。
たとえ何年も前に習ったことでも、苦手教科は自分の理解度に自信を持てないものですし、同じ問題でも学校や学年ごとにそのレベルに合った解き方を教えられることが多く、答えが合っていても解き方が違うと正解にならないこともあります。
家庭教師をする場合、その点を考慮しなければなりません。
別の問題
仮にそれらの問題をクリアしていて、下調べなしでも他人に教えるのに十分なだけの知識があったとしても、その先には別の問題があります。
一般に広く知られていることではありますが、「自分が理解できる」ということと「他人が理解できるように教えられる」ということは、全く別の能力が必要になります。
前者に必要なのが問題文を理解する読解能力であり、正解を導き出すための論理的思考力や記憶力であるとすれば、後者に必要なのはそれを他人が理解できるように話す説明力であり、相手の反応を見ながら対話するコミュニケーション能力です。
これら全ての能力が元から備わっているという人は非常に稀であり、特に後者は場数を踏むことでしか身につかない能力のため、練習も無しのぶっつけ本番ではうまく伝えたいことを伝えられません。
一般に頭がいいとされるエンジニア職の人間でもプレゼンが苦手という人が居るという事実が、先述の問題を表していると言えるでしょう。
上記の通り、家庭教師は教えている時間だけではなく、下準備も含めてアルバイトとして成り立つものです。
ここまで時間を取られるのはイヤだと思われるかもしれませんが、自分の知識の復習になる上に、社会人として必要なプレゼンの能力を身につける機会にもなります。